生活保護の違法減額。追加給付が始まるも、権利を知らされていない人も。国に対し、周知の徹底を求めます。
2013年(平成25年)から行われた生活保護基準の引き下げが昨年6月、最高裁で違法と認定されたことを受けて、政府は生活保護費の追加給付を始めました。
追加対象となる世帯は下記のとおりです。
(1)2013年8月から2018年9月までの間に生活保護を利用したことがある全ての世帯。たとえば、上記5年間ずっと利用していた場合、追加給付の金額は大都市部の単身世帯で約10万円、高齢夫婦の世帯では約15万円になります。
(2)(1)のほか、2018年10月から2026年3月までの間に生活保護を利用したことがある世帯のうち、一定期間入院・入所されていた方、障害のある方で加算が算定されていた方や、毎年12月に支給される期末一時扶助費が算定された世帯なども対象です。期末一時扶助費の追加支給額は少額ですが、加算分は数万円になることもあります。例えば、障害者加算の場合、2013年8月~2026年3月の全期間、居宅で制度を利用していた人は加算分だけで約9万円追加給付を受け取ることができます。
対象者のうち、現在、生活保護を利用している方へは、プッシュ型で福祉事務所から通知が送られ給付が行われています。
しかし、対象となる期間に生活保護を利用していたことがあるものの、現在は利用していない方は自分で申し出る必要があります。
また、生活保護の利用が継続していても、引っ越しなどで自治体が変わった方は、過去に生活保護を利用していた自治体に対し、自分で申し出る必要があります。
申出の受付期間は今年8月1日から来年7月31日までとされています。
対象となる人の中には、自分に追加給付を受け取る権利があることを知らない人が多数いるものと思われます。
「奈良の生活保護行政を良くする会」が周知のためのわかりやすいチラシを作ってくれたので、許可を得て掲載します。

「奈良県の生活保護行政を良くする会」チラシ表面

「奈良県の生活保護行政を良くする会」チラシ裏面
社会福祉の分野で働いている方など、生活保護の利用者・元利用者に接する機会の多い方には、ぜひこのチラシを使っていただき、周知に努めていただけるとありがたいです。
明日8月29日には、生活困窮者支援に取り組む法律家が中心となった電話相談会が開催されます。追加給付に関しての相談にも応じてくれるので、疑問がある方はぜひご活用ください。
引き下げが始まった2013年8月からすでに13年の月日が経過していました。
国は違法な引き下げをおこなったにもかかわらず、昨年、最高裁に指弾されるまで過ちを認めず、補償もおこなってきませんでした。
今年、ようやく補償が始まりましたが、この13年間ですでに亡くなってしまった方も数多くいらっしゃいます。今回の追加給付は、減額された差額分を約半分に値切ったものであり、充分なものとは言えませんが、国には違法な引き下げにより被害を被った全ての利用者・元利用者に補償を届ける責務があります。
今年6月24日、「いのちのとりで裁判全国アクション」は厚生労働省に要請行動をおこないました。
追加給付の周知については、「特に保護廃止された世帯への周知を徹底するため、特設ホームページによる案内にとどまらず、テレビ・ラジオ・新聞・SNS動画などのメディアや、当事者と接する福祉事業者を通じるなどの方法による、徹底した広報を行われたい」との要望をおこなったところ、厚労省から「現在プロの広告業者とも効果的な広報の方法について検討している」との回答がありました。
また、虐待やDV等で出身世帯を離脱した人については、出身世帯の世帯主に対する給付は行わず、例外的に個人単位での追加給付を行うことを求めていますが、厚労省は消極姿勢を崩していません。
8月以降、厚労省はラジオやネットなどでの広報を始めていますが、周知が行き届いているとは言えない状況です。
すべての被害者に漏れなく追加給付が行われるよう、引き続き、厚労省に働きかけをおこなっていきたいと思います。
補償額が半分に値切られたことについては、全国各地で不服審査請求が行われています。詳しくは「いのちのとりで裁判全国アクション」のサイトをご覧ください。
9月以降もさまざまなアクションを予定しています。ぜひご注目ください。
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