ニュースレター配信始めます/「家賃高すぎ。何とかしろ!デモ」記者会見

「稲葉剛のニュースレター」初配信になります。3月14日(土)に新宿で「家賃高すぎ。何とかしろ!デモ」を開催します。本日(6日)、記者会見をおこないました。
稲葉剛 2026.03.06
誰でも

皆さん、こんにちは。稲葉剛です。

このたび、「稲葉剛のニュースレター」の配信を始めることになりました。

不定期になりますが、生活困窮者支援活動や反貧困運動の現場からの報告、私が関わっている団体のイベントのお知らせ、過去に様々な媒体に書いた記事のアーカイブなどを配信していきます。theletterでの記事の書き方や配信の仕方など、あまりわかっていないところがあり、読みにくい点もあるかと思いますが、末永く見守っていただければと思います。

よろしくお願いします。

私は1994年から東京・新宿を中心に野宿者の支援活動に関わり、その後、幅広い生活困窮者の相談支援に携わってきました。現在は、一般社団法人つくろい東京ファンドと認定NPO法人ビッグイシュー基金という2つの団体を中心に活動を続けています。

月刊誌『地平』2026年4月号に90年代からの活動を振り返るロングインタビュー「反貧困運動の歴史と課題——1990年代の野宿者運動から振り返る」が掲載されました。

1990年代に「新宿ダンボール村」の住民たちとともに東京都による強制排除にどう抵抗していたのかという話から、2000年代初めに生活保護の「水際作戦」を突破できるようになり、「反貧困」を旗印とする運動が始まったこと、2010年代に政治家主導の「生活保護バッシング」(2012年)が引き起こされ、第二次安倍政権下で生活保護基準の引き下げ(2013年~)が強行されたこと、過去最大の基準引き下げに対して全国の生活保護利用者が原告となって「いのちのとりで裁判」が起こされ、減額を取り消すという画期的な最高裁判決をかちとったこと(2025年)まで、この30年余りの反貧困運動について私の視点から振り返っています。

機会があれば、ぜひご一読いただければと思います(下記の画像をクリックすると地平社のページに移動します)

月刊『地平』2026年4月号(3月5日発売)

月刊『地平』2026年4月号(3月5日発売)

「生活保護は権利」と同時に、私が力を入れてきたのが「住まいは人権」の活動です。

2008年秋にリーマンショックが起こり、翌2009年にかけて、多くの労働者が「派遣切り」によって仕事と住まいを失いました。この問題は当時、労働や雇用の問題として捉えられましたが、私は同時に「住宅政策の貧困」という問題も背景にあると考え、生活困窮者支援や住宅運動に取り組んでいた人々とともに、2009年、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」を設立。住宅政策の転換を求める社会運動に取り組んできました。

「住まいの貧困ネット」の活動は、コロナ禍では、生活保護の手前で家賃を補助する住居確保給付金の運用を改善させる等、住まいのセーフティネットの拡充という点では一定の成果を得ることができましたが、「住まいの貧困」の解消に向けた住宅政策の転換はまだ果たされていません。

昨年来は東京を中心に民間のマンションやアパートの家賃上昇が深刻化し、多くの人々の生活を圧迫するという事態が起こっています。

そこで、「住まいの貧困ネット」と首都圏青年ユニオンで呼びかけをおこない、3月14日(土)新宿で「家賃高すぎ。何とかしろ!デモ」を開催することにしました。

本日(3月6日)、厚生労働記者会にてデモの開催を告知し、趣旨を説明する記者会見を開きました。

私からは各支援団体のもとに、「更新にあたって、アパートの家賃が49000円から55000円に値上げすると言われ、困っている」、「9万円のマンションの家賃が10万円になると言われている」等、これまでの家賃額の1割以上の値上げを迫られて、生活費を削って家賃にまわすか、安いところに引っ越しをするか、悩んでいるとの相談が次々と寄せられているという実態を報告をしました。

また、生活保護の住宅扶助基準や住居確保給付金の給付額(東京23区では53700円)が実態に合っていないという問題も指摘しました。

3月6日、厚生労働記者会にて。右が冨永華衣さん(首都圏青年ユニオン)、中央が佐藤和宏さん(住まいの貧困ネット、高崎経済大学)、左が筆者。撮影:早川由美子さん

3月6日、厚生労働記者会にて。右が冨永華衣さん(首都圏青年ユニオン)、中央が佐藤和宏さん(住まいの貧困ネット、高崎経済大学)、左が筆者。撮影:早川由美子さん

会見では、住宅問題に悩む当事者お二人からの発言もありました。

派遣切りに遭って、失業手当を利用しているという50代の男性は収入が減ったタイミングで、オーナーから家賃の値上げを迫られて困っていると話していました。生活保護を利用している30代の女性は、住宅扶助の基準を満たす物件が少なく、精神疾患があることで差別をされることも合わさって、部屋探しに非常に苦労した、老朽化した物件に入居せざるをえなかったとの体験談を話されました。

デモの実行委員会では、政府や東京都に対策を求めるオンライン署名もおこなっています。要請項目は下記のとおりです。

【緊急要請項目】

家賃に関連する要請

・住宅扶助および住居確保給付金の給付額を引き上げて、家賃の実費保障ができるようにしてください。

・とくに東京都は、急騰する家賃の状況を鑑み、独自に家賃補助を実施してください。

・家賃ブレーキ制度(定められた上限額を超えての家賃の引き上げ禁止)を導入し、家賃の値上げをコントロールしてください。

・住居確保給付金の給付要件を緩和し、求職中以外の人でも使えるようにしてください。

誰もが安心して住まいを見つけ、住み続けられるようにするための要請

・公営住宅の新築および建て替えによって、公営住宅を増やし、住宅の質を上げてください。

・性別や性的指向、年齢、障害、国籍などの属性を理由とした入居差別を禁止してください。

・保証人がいないことによって入居拒否をされないよう、公的保証制度を創設してください。

ぜひご協力ください。

今回はデモの告知が中心になりましたが、今後、さまざまな話題を取り上げていきます。よろしくお願いいたします。

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